ドクトル杯グラップリング競技ルール

ドクトル杯グラップリング競技ルール

【試合内容】
組技のみのトーナメント、ワンマッチ方式による試合

【年齢カテゴリー及び試合時間】
キッズ1(未就学児) 2分
キッズ2(小学1・2年生) 3分
キッズ3(小学2・3年生) 3分
キッズ4(小学3・4年生) 3分
キッズ5(小学4・5年生) 3分
キッズ6(小学5・6年生) 3分
ジュニア(中学生) 3分

※2018年に迎える年齢
アダルト(18歳〜29歳) 5分
マスター1(30歳〜35歳) 4分
マスター2(36歳〜40歳) 4分
マスター3(41歳〜45歳) 4分
マスター4(46歳〜50歳) 4分
マスター5(51歳〜55歳) 4分

※アダルト、マスター1〜5は、ルールカテゴリーをエキスパート、ビギナーから選択。

【ルールカテゴリー】
(1)エキスパート
有効技、反則については、アマチュア修斗公式ルールからいっさいの打撃を除いたもの。
ただし、リフトによるブレイクは認められない。

(2)ビギナー
有効技、反則については、ビギナー修斗公式ルールからいっさいの打撃を除いたもの。
ただし、リフトによるブレイクは認められない。
カニバサミを禁止技とする。
※プロMMA選手、柔術茶、黒帯の選手はビギナーにはエントリーできません。

(3)キッズ
有効技、反則については、キッズ修斗公式ルールからいっさいの打撃を除いたもの。
ただし、腕十字、三角絞めをセットされた状態で相手を腰より上へ持ち上げる行為を反則としない。

(4)ジュニア
有効技、反則については、ジュニア修斗公式ルールからいっさいの打撃を除いたもの。
ただし、腕十字、三角絞めをセットされた状態で相手を腰より上へ持ち上げる行為を反則としない。
三角絞めにおいて、相手の頭部を引きつける行為は反則とする。
膝十字固めを有効とする。

【階級】
(アダルト〜マスター5)
男性
ルースター級 55.5kg以下
ライトフェザー級 61.5kg以下
フェザー級 67.5kg以下
ライト級 73.5kg以下
ミドル級 79.5kg以下
ミディアムヘビー級 85.5kg以下
ヘビー級 91.5kg以下
スーパーヘビー級 97.5kg以下
ウルトラヘビー級 97.6kg以上

女性
ルースター級 46.5kg以下
ライトフェザー級 51.5kg以下
フェザー級 56.5kg以下
ライト級 61.5kg以下
ミドル級 66.5kg以下
ミディアムヘビー級 71.5kg以下
ヘビー級 76.5kg以下
スーパーヘビー級 81.5kg以下
ウルトラヘビー級 81.6kg以上

(キッズ)
16.0kg以下/20.0kg以下/24.0kg以下/28.0kg以下/32.0kg以下/36.0kg以下/
40.0kg以下/44.0kg以下/48.0kg以下/52.0kg以下/それ以上は契約体重制とする。

(ジュニア)
40.0kg以下/44.0kg以下/48.0kg以下/52.0kg以下/56.0kg以下/
60.0kg以下/65.0kg以下/それ以上は契約体重制とする。

【試合の審判】
試合の審判は1名のレフェリーと2名のサブ・レフェリー、または1名のレフェリーと3名のサブ・レフェリーによって行われる。

【試合の勝敗】
勝敗の決定は次の通りとする。

(1)一本 (Submission=S)
関節技や絞め技を施された選手が、「ギブ・アップ」、または「参った」と言うか、或いは対戦者の身体やマットを手や足で連続して2度以上叩く(タップ)などしてギブ・アップの意志表示をしたり、関節技や絞め技が極まったとレフェリーが判断した場合。
※キッズ、ジュニアのカテゴリーでは安全性の観点から見込み一本を早めに取る。

(2)判定
1名のレフェリーと2名のサブレフェリー、または1名のレフェリー(判定には加わらない)と3名のサブレフェリー計3名の旗判定とする。各審判員の票は同等の1票であり、試合終了後の審判員の判定で2票以上を獲得した者を勝者とし、他を敗者とする。

(3)反則ポイントと失格
a.故意または偶然に関わらずファウルを犯した場合、レフェリーが注意を与え、その程度により反則ポイントを提示する。
b.再三の注意にも関わらず度重なるファウルを犯した場合、反則ポイントが累計3ポイントとなった時点でその選手は反則負けとなる。ただし、そのファウルが重大な反則または悪質である場合は、レフェリーの判断により一度の注意もなく、即時反則負けとなることもあり得る。
c.反則ポイントは試合終了時にリセットされ、試合をまたいで累計されることはない。
d.ファウルによる負傷、或いはダメージが原因でファウルを受けた選手の試合続行が不可能であるとレフェリーが判断した場合、ファウルを犯した選手は反則負けとなる。ただし、レフェリーの判断により休息を与えた後、試合を続行することもあり得る。

【試合進行】
試合は原則としてランニングタイムで行われる。
開始、終了はレフリーのコールによって行われる。
レフリーのストップコールで時間をいったん停止する。
※原則としてレフリーの試合進行を妨げるような行動をさせない。

(レフリーコール)
・ファイト(始め)      試合開始、又は試合再開時
・ブレイク          試合をいったん止める時
・ドントムーブ(動かない)  両者の動きを止める時
・ストップ          試合の時間終了
・タイム           何らかの事で試合を中断する時
・アクション(攻める)    両者の動きを促す時
・コーション         反則ポイントを提示する時

※試合中レフリーのコールは速やかに従う。
※この他にもレフリーは自分の自己判断で様々なコールをしていく。

【試合出場選手規約】
試合に出場する選手は、次の事項を守らなければならない。
(1)ワセリンやオイル、グリス等の油脂類、及び不快な臭いのする薬品類や化粧品類、整髪料の身体や頭髪へ塗布は攻防の妨げとなる為これを禁じる。
(2)指輪やネックレス、ピアスなどの貴金属類は、いかなる物も身に付けてはならない。
(3)ノー・ファウル・カップを装着してはならない。
(4)キッズ、ジュニアのカテゴリーに出場する選手は、出場にあたって保護者の同意がなくてはならない。

【試合着】
選手の着衣は試合中に妨げとならず、攻撃に対して防護とならないものでなくてはならない。
(1)ズボンは、ヒザ丈以上ニーガードにかからない長さで、ボタン・ファスナー・ポケットのないもの。
プラスティック・金属など、人体表面より硬いと思われる素材が使われているものの着用は認められない。
(2)男子選手は上半身は裸、または攻防の妨げとならないTシャツ、ラッシュガード等でなくてはならない。女子選手は上半身は攻防の妨げとならないTシャツ、ラッシュガード等でなくてはならない。
(3)着衣の色は相手コーナー色以外のものでなくてはならない。
(4)模様、デザインは自由とする が、対戦者に対して不快感を与える装飾は禁じる。
(5)シューズの着用は認められない。

【出場選手の衛生】
選手は次の事項を守らなければならない。
(1)身体や頭髪は、清潔かつ衛生的でなければならない。
(2)着衣や装備は清潔で、かつ不快な臭いのない乾燥したものでなければならない。
(3)手や足の爪は対戦者の皮膚を傷つけぬよう、短く処置しなければならない。
(4)長く伸びた頭髪は、試合役員の判断に応じて束ねて結ばなければならない。

【計量】
(1)第一試合の直前計量とする。第一試合で計量を通過すれば、二回戦以降の計量は必要としない。
(2)キッズ、ジュニアのカテゴリーに関しては主催者判断で大会前に事前計量を行ってよい。

【試合場】
試合場は以下の通りとする。
(1)試合場は、3~4本のロープを硬く張巡らせた四角型リング、金網を張ったフェンスで囲ったケージ、或いはレスリング・マット、または柔道場でなければならない。
(2)試合場の床は水平で、適当な広さの残余部分を有しなければならない。
(3)試合場の床はレスリング・マット、または畳と同じ程度の硬さでなければならない。
(4)試合場の対角にある選手が入場する2つのコーナーは赤と青とに色分けし、その他のコーナーはニュートラル・コーナーとする。試合場のサイドには試合役員席と、また試合場を挟んで向かい合わせにした2カ所のサブ・レフェリー席を設けなければならない。
(5)試合場の照明は、試合が円滑に行える明るさを有しなければならない。


【ポジション】
選手が足の裏以外身体のいかなる部位も継続的にフロアに触れていない状態をスタンド・ポジションという。足の裏以外の身体の部位が継続的にフロアに触れている状態をグラウンド・ポジションという。

【ドント・ムーブ】
試合中選手が試合場外へ出そうになる、または出た場合、レフェリーにより双方の選手にドント・ムーブが命じられる。ドント・ムーブを命じられた双方の選手は直ちに動作を止め、レフェリーが試合続行を命じるまでそのままの体勢を維持しなければならない。

【ブレイク】
消極的試合態度以外の理由で攻防が膠着し、明らかな進展がないとレフェリーが判断した場合、或いはドント・ムーブの際に故意、偶然に関わらず動作を止めた体勢を維持出来ない、または出来なかった場合、双方の選手にブレイクが命じられスタンド・ポジションからの再開となる。ブレイクを命じられた選手は直ちに攻防を止め分かれなければならない。

【ファウル】
ファウルは次の通りとする。
(1)禁じる攻撃。
a.いっさいの加撃。
b.指へのあらゆる攻撃。
c.金的、下腹部へのあらゆる攻撃。
d.スタンドにおいて体重を浴びせて極める関節技。
e.背後から頭部を抱え込み、頭部に体重をかけて頚部を極める。
f.相手が頭から先にマットに落ちるような投げ技。
g.頭部を掴み、後頭部を床に叩きつける攻撃。
h.相手を持ち上げている状態から、前方、垂直方向に頭頂部、後頭部、背中を床に叩きつけること。
i. 足の甲を踏み付ける行為。
(2)禁じる行為。
a.噛みついたり、歯を押しつけたりする。
b.爪で引っ掻く。
c.目、鼻の穴、耳の穴、口の中、肛門に指を入れる。
d.目に肘や顎等を押しつける。
e.皮膚をつまむ。
f.頭髪や喉、鼻、耳、性器を掴む。
g.喉を指や掌で押す。
h.一度に3本未満の指を掴む。
i.着衣や装備を掴む。
j.ロープ、コーナー・マット等に、顔面や喉を叩きつける。
k.ロープ、コーナー・マット等をてこの支点に、関節を極める。
l.ロープ、コーナー・マット等を掴んだり、腕や脚を掛ける。(※コーナーやロープに手や足を置く、押す、または蹴る行為は認められる。ただし、掌、足の裏による行為のみ認め、腕部や脚部での行為は反則となる。足の裏で押す、蹴る行為は、その際に身体の一部分がフロアに継続的に接している必要あるが、掌による場合はこの限りではない。)
m.ブレイクやドント・ムーブ後、レフェリーが試合続行を命じる前に攻防を再開する。
n.前屈した姿勢で、頭が先にマットに着くような動作で技を掛ける行為。
o.対戦者を故意に試合場の外へ出す。
p.消極的な試合態度。
q.レフェリーの指示に従わない。
r.対戦者、審判員等への暴言や侮辱的行為。
s.奇声や大声を発する。
t.選手同士が会話を交わすこと。
u.相手の脊椎に無理に圧力をかけるような行為。
v.手四つに指を絡める行為。
(3)逃避行為。
a.故意に試合場の外に出る。
b.試合再開になかなか応じない等による遅延行為。
(4)八百長行為。
a.一方または双方の選手による出来試合。
b.馴れ合い、或いはショー的行為を行う等全力で戦わないこと。
(5)マナーに反する行為
レフェリーの判断により、マナーに反するとされる行為。

【ビギナーカテゴリーの追加禁止事項】
(1)禁じる攻撃。
a.ヒールホールド
b.Vクロス・アームロック
c.クロックヘッドシザース等、脚で頸部を極める関節技
d.カニバサミ

【ジュニア、キッズカテゴリーの追加禁止事項】
(1)禁じる攻撃。
a.首だけを抱えて投げる投げ技。
b.ひざをついて相手を担ぐ投げ技。
c.手首を極める行為。
d.カニバサミ。
e.ネッククランク、フェイスロック、スピニングチョークなどのように頸椎に負荷のかかる関節技。
f.スタンド・ポジションから飛びついて抱っこちゃん状態になる行為。
g.スタンド・ポジションから飛びつきフロントチョーク。
h.スタンド・ポジションにおいて、バックチョーク以外のあらゆる関節技、絞め技。
i.グラウンド・ポジションにおいて、相手の首にヒジや手(拳、手刀、のど輪)でプレッシャーをかける行為。
j.グラウンド・ポジションにおいて、正面から相手の首を抱えて前腕で絞める技。
k.グラウンド・ポジションにおいて、正面から相手の首を両腕で絞める技。
l.首をねじる絞め技。
m.Vクロスアームロックやオモプラッタなど、足で腕を極める技。
n.クロスガードにおいて、両手で相手の頭部を引きつける行為。
o.三角絞めにおいて、相手の頭部を引きつける行為。
p.足で首を挟んで極める行為。ただし、技や抑え込みを回避するために挟む場合は可とする。
q.アキレス腱固め膝十字固め以外の足関節を極める技。


【キッズカテゴリーの追加禁止事項】
(1)禁じる攻撃。
a.グラウンド・ポジションでのフロントチョーク。ただし「キッズ5」以下のカテゴリーに限る。
b.足関節を極める技。ただし、「キッズ6」に限りアキレス腱固めのみ可とする。

【提訴】
試合に対する異議、その他一切の紛争について、1週間以内に文書により主催者に提訴することが出来る。
提訴を受けた主催者は提訴内容について審議を行い、判断を下し問題の解決に努めなければならない。

[編] ドクトル杯実行委員会
2018年5月6日施行